2024年に登場したソニーのフラッグシップモデル「Xperia 1 VI」は、Xperiaシリーズの中でも特に完成度の高い一台として注目を集めています。前モデル「Xperia 1 V」からの正統進化を遂げつつ、実用性がさらに向上した印象です。
まず特筆すべきはカメラ性能の進化。Xperia 1 VIには、ソニー独自開発のイメージセンサーと、リアルタイムAF(オートフォーカス)機能が搭載されています。特に望遠レンズのズーム機能が強化され、85〜170mmの光学ズーム域を実現。日常のスナップから風景写真、さらには子どもの運動会のような被写体まで、幅広く対応できるのが魅力です。
また、動画撮影機能もプロ仕様に進化。「Videography Pro」アプリにより、露出やホワイトバランス、フレームレートを手動で設定でき、まるで小型のシネマカメラのような使い方が可能になっています。YouTubeやSNSに動画を投稿するユーザーにも、まさに最適なスマートフォンといえるでしょう。
ディスプレイは、Xperia伝統の4K有機ELではなく、FHD+の有機ELへと刷新されましたが、120Hz駆動の表示は非常に滑らかで、HDR対応による高いコントラストも健在です。実際に手に取ってみると、解像度の差は感じにくく、むしろバッテリー持ちや発熱面での安定感が向上したという評価が目立ちます。
実用性の大幅アップ ― Xperia 1 VI の使い勝手とバッテリー性能
Xperia 1 VIでは、デザインやサイズ感に大きな変化はないものの、日常使いでの快適性が格段にアップしています。Snapdragon 8 Gen 3を搭載し、動作は非常にサクサク。ゲームや動画編集などの高負荷な操作も快適で、マルチタスクも難なくこなせます。
また、地味ながら嬉しいのが放熱設計の進化です。従来モデルでは、長時間の使用で発熱が気になる場面もありましたが、Xperia 1 VIでは発熱を抑えた設計となっており、手が熱くなりにくく、夏場でも安心して使える仕上がりになっています。
バッテリーは5,000mAhと大容量。さらに、ディスプレイ解像度の見直しやチップセットの省電力性の向上も相まって、従来より1〜2割長持ちする印象です。1日中使ってもバッテリー残量に余裕があるのは、スマホヘビーユーザーにとって嬉しいポイントでしょう。
ソニーらしいこだわりのポイントとしては、3.5mmイヤホンジャックの継続搭載、microSDカード対応、防水防塵性能など、他社フラッグシップモデルでは省かれがちな要素をしっかり残している点も見逃せません。
総合的に見て、Xperia 1 VIは「プロ向けスマホ」から「誰にでも使いやすいハイスペック機」へと進化した一台。写真や動画の撮影はもちろん、日常のすべての場面で安心して使える、まさにバランス型フラッグシップです。